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2012年3月15日 (木)

12/3/8-14 北ア  積雪期剱岳7日間

メンバー  和田、水本

コース 伊折~馬場島~赤谷尾根~北方稜線~剱岳~早月尾根~馬場島~伊折

装備  12日分朝食・行動食・夕食、ガス缶大5缶・中2缶、コンロ2、ゴアライト2~3人用1張、ツェルト1張、8.5mm60mロープ1本、スリング10本、ハーケン2本、各自ダブルアックス、各自アイゼン、各自ワカン、各自スコップ、各自800mlテルモス、各自80Lザック、各自2重靴、その他冬山基本装備

第1日 晴れのちくもり 伊折~赤谷山山頂 am5~pm4 雪洞なしテント泊

am1:40に家を出て富山に向かう。白峰まで35キロ。福井市までと同じ距離とは知らなかった。4時に和田さんと合流。上市警察署で「山タン」をもらい、伊折集落から入山。赤谷尾根取付きまではワカンで快適に歩いた。赤谷尾根下部は急登で、ワカンを履いていてもごぼって手こずるが、時々四足歩行を交えながら進んだ。1700mくらいでアイゼンに履き替え、頂上直下の雪壁は、念のためアンザイレンしてコンテで登った。最後の急登でふくらはぎ、荷物の重みで腹筋を使う。テント内で時折足がつった。pm7に、無線にて山岳警備隊と定時交信する。現在地、人員・装備異常なし等を伝える。雪の状態を訊かれたりした。翌日、翌々日の天気予報を教えてくれる。交信終了後就寝。

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第2日 くもり後小雪 赤谷山山頂~池ノ平山山頂 am6~pm2:30 雪洞内テント泊

am4起床。トイレをしている時、不注意で胸ポケットに入れて温めていた携帯を、谷底へ滑り落としてしまった。今日の目標は、小窓まで。赤ハゲ手前でアンザイレンしてコンテでスリングが無くなるまで交互にトップを変わりながら進む。まず赤ハゲから白ハゲまでのリッジの通過は、雪も安定していて雪庇や雪崩れの心配を感じなかった。大窓への下降も慎重にクライムダウンした。大窓の頭までの急登はアップザイレンして登ったが、汗が滴り落ちた。頭で再度アンザイレンして岩峰を左に巻いて急登を登ると池ノ平山に立つ。この岩峰の左巻や急登は雪崩れがあるらしいが今回は不安を感じなかった。その後池ノ平山の北峰と南峰を勘違いして、北峰のリッジを下ってしまった。運の悪いことに、正規のリッジと方角がいっしょでコンパスを信じすぎた。地形図を落ち着いてみたら、一目瞭然だったのだが、、1時間半くらいロスして雪も降ってきたので、小窓は諦め、北峰と南峰の小さなコルで雪洞を掘りテントを張った。岩陰になっているせいか、夜山岳警備隊と定時交信できなかった。

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第3日 小雪のち濃霧 池ノ平山~小窓 am6:15~am9:30 雪洞内テント泊

am4起床。10cmほどの新雪が積もっていた。今日も最初からアンザイレンしてコンテで進む。足にかなりの疲れが溜まっているのを感じる。まず細いリッジを通過して小さなコルにクライムダウンして正面の急登の横っ面を登る。荷が重くつらい。その後右に進路を変えて小窓まで懸垂も交えながら下りた。途中から濃霧になってコルがどこにあるのかさっぱりわからないほどになった。結局10時前に小窓に着いたにも関わらず、30m先しか視界が効かず、小窓の頭までどこを登っていいかわからず、停滞せざるを得なくなった。雪洞を掘りテントを中に押し込む。夜半から星空が見え始め、空気も冷えた。今晩も警備隊と定時交信できなかった。

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第4日 晴れのち風雪 小窓~剱岳山頂 am5:15~pm0:15 雪洞内テント泊

am3起床。今日は頂上を越えて一気に早月小屋まで下ろうと打合せする。小窓の頭までの急登は過去3度くらい雪崩で死亡事故が発生している雪壁だ。登る速度が遅いので、アンザイレンして私が先頭を行く。思ったより雪は締まっていて雪崩の心配を感じない。念のため、雪の深いところや亀裂が入っているところを避けて登った。三ノ窓手前で一度懸垂下降したが、他は相変わらずアンザイレンしてコンテで進んだ。去年山岳警備隊の方が雪崩に巻きこまれた池ノ谷ガリーも、中間部辺りやや雪が深かったものの、固すぎず柔らかすぎず登りやすかった。快適なキックステップで乗越まで登る。今回池ノ谷ガリーより、頂上手前の急登のほうが雪崩に気を使った。ここはライン取りも大事だと思う。ヘロヘロになって頂上に着いたのは昼12時ちょっと過ぎ。さっきまで快晴だったのに、あっという間に雪が降ってきた。予報では真冬並みの寒気が本州に入ってくるという。無理して下山せず、山頂で雪洞を掘り、停滞することにした。瞬く間に暴風雪になる。東面に雪洞を掘ったので、今晩も警備隊と定時交信できなかった。夜ラジオの天気予報を聞くにつけ、明日は一日停滞かなと話し合って就寝する。夜半、雪洞内に雪が溜まるのを防げないので、窒息死するのに気を配りながら寝る。危ないが、ほぼ埋められた状態で寝ているので、雪洞内は暖かい。

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第5日 暴風雪 剱岳山頂にて一日停滞 雪洞内テント泊

朝8時ごろまでシュラフの中に潜っていた。ラジオの天気予報では、富山市に暴風雪警報が発令されている。今日の行動は絶望的だ。今日やることは、雪洞内の雪を始末するだけ。雪洞内はほぼ埋まった状態だが、わずかな隙間から光が漏れている。そこに向かってダイビングして外に出る。寒さ・風雪で目が開けていられない。最悪なのが、大便。小便は、テント内で尿瓶にためて捨てるだけだが、大はそういかない。テント内で催してきても、外にでてお尻を出しただけで出てこない。今回ガス缶をたっぷり持ってきて、毎日衣類等を乾かしてきたが、五日目ともなると、あらゆるものが湿って不快になる。一日たいしてすることもないので、衣類を適当に乾かして、またシュラフの中に潜って一日を過ごす。シュラフの中で、嵐の海の中を漂流する船乗りはどんな気持ちなのかを想像したりしていた。誰も助けに来てくれないのはいっしょだが、船乗りの孤立はもっと激しいはずだ。でも機械の中にいるからもう少し快適な気もする。僕らみたいに濡れた衣類と狭いテントの中で寒さに凍えて耐えることがない気もする。今晩も定時交信つながらず。というか和田さんやる気なし。

第6日 雪 剱岳山頂~早月小屋 am10:30~pm5:00 雪洞なしテント泊

am6:30起床。今日の富山県東部の天気予報は、くもり昼過ぎまで時々雪で所により雷を伴うというもの。昼から下山しようと話し合い、準備する。9時半頃外に出てみると、時折雲も切れ青空が出ている。よし行くぞと予定を早めパッキングして出発。出発するも、視界は良くなったり悪くなったりで雪が止むことはない。しかし強風がないのは助かる。今回の寒気で新雪が胸まで浸かる位の量になっていた。かといって岩場やクラストしている斜面もあるので、ワカンに履き替えられない。なんとか2600m付近までの難所は終わり、後は早月小屋までラッセルが中心になる。胸ラッセルをしながら小屋についたのは、夕方5時になっていた。小屋の西面は風で雪が飛ばされていて、テントが張りやすい状態だったので、そこで幕営した。最後の夜だ。食べるぞ~と言いながらも、今回は食糧たっぷり持ってきていたので、毎日よく食べた。6日間の行動、テント泊でぬれていないものはなく、この日は放射冷却で冷え込んだこともあって、二人とも寒さでほとんど寝られなかった。やっと警備隊と定時交信できた。前の晩はどこにいたのかを訊かれた。

第7日 晴れのちくもり 早月小屋~馬場島~伊折 am7~pm2

5時起床。のんびり準備して下山開始。今日はワカン履いてひたすら下山するのみ。和田さんに先頭でラッセルしてもらっているにも関わらず、私はついて行けない。結局言い訳程度のラッセルもせずに馬場島についてしまった。馬場島で山岳警備隊の方々としばし語らった。もう一日連絡が取れなかったら、ヘリを飛ばすつもりだったらしい。遭難騒ぎも飛び交ったらしい。去年の山行では、岐阜県山ノ村で下山後、村人から暖かい親切を受けた。今回も山岳警備隊の方々が暖かく接してくれた。厳しい山行と暖かい出会い。このギャップが山を忘れなくさせ、人間を成長させてくれているのではないかと思う。今回和田さんと山行できて、本当に良かったと思う。山が一段と好きになった。

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PS:今回携帯電話を失いました。親愛なる友人の皆様、携帯電話番号付きの空メールを私に送って下さい。

 

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