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2014年1月 4日 (土)

 13/12/28-14/1/3 北ア  槍ヶ岳北鎌尾根


P1010024

秋、正月山行はどこにしようかと考えていた時、利尻山に行きたいと思った。パートナーのs田も乗り気だったが、北海道までのアクセス、フェリーの運航状況を調べているうちに、迷ってしまった。s田の肩の損傷も当分良くならないだろうし、結局縦走なら損傷も大丈夫とのs田の話で北鎌尾根に行くことになった。プラス涸沢岳まで縦走しよう。 山行前、三度山行を共にして気を合わせ、出陣となった。

メンバー s田(ベルグラ山の会)、水本(福井山岳会)

28日:天気くもり時々雪・行動時間8時間30分・葛温泉~水俣川河原:福井を2:30に出発。糸魚川経由で大町のタクシー会社に車を置かせてもらい、タクシーで葛温泉に向かう。8:30葛温泉出発。途中登山相談所に顔を出して、先行パーティーがないことを知る。スノーシュートレッカーが一人歩いて行ったとのこと。このトレースは湯俣まであり、かなり助かった。高瀬ダムの最後のトンネルを抜けたところから、ワカンを着けた。水俣川との出合からトレースはなく、ラッセルとなる。何度か高巻きしながら進み、この日は渡渉がなかった。

Pc280001去年小窓尾根への渡渉で役にたったストック。今回はずっと持ち歩くのが荷物なので、渡渉が終わったら捨てられる枝杖にした。

Pc28000330分くらい歩くと登山相談所がある。

Pc280006高瀬ダム手前も後もトンネルを幾度も抜ける。

Pc280009湯俣

29日:天気くもり時々雪・行動時間9時間45分・河原~北鎌P2基部:標高がまだ低い割に朝寒かった。7時発。しばらく進むと膝を越える深さの渡渉ポイントがあった。渡渉は、オーバーシューズを履いたまま行こうと考えていたが、深すぎる。止む無く裸足になり、渡渉する。「冷たい~」なんて言葉は出ない。ただただ冷たい。ネオプレーンの靴下も、足が濡れていてうまく履けない。俺だけかとs田の様子を見る。彼も無言だ。顔に苦痛の色がはっきり見える。「次は裸足止めよう!」。その後幸い、膝を越えるような渡渉もなく、6、7回渡渉を繰り返し渡渉を終了した。尾根への斜面に差し掛かると、いきなり雪が硬くなり、アイゼンに履き替える。「ん、合してきたはずのアイゼンがはまらない」。渡渉を繰り返しているうちに、オーバーシューズの底から水が入ったらしく、その隙間に氷がびっしり附いてオーバーシューズも脱げない状態になっていた。「道具は、時に想像を超える状態になる」。上に登り出すと、段々傾斜が強くなる。ルート図に書いてあったけど、想像以上の急登だ。2日目なので、まだ荷も重い。「こんなのロープ出してもいいくらいや」とブツブツ言いながら登った。

Pc290013_2転んだら終りや。慎重に。

Pc290019料理好きのs田の料理は、美味しい。今回購入したPURIMUSEtaPackliteは7日間の山行で、500mlカートリッジ二つで済んだ。

30日:天気くもり時々雪・行動時間10時間15分・P2基部~北鎌コル:P2へは延々と深いラッセル続きで、どこがP2か結局わからなかった。P4とP5のコルは明瞭だったので、ここがP4なんだなとわかる。P5へのルートを探している時、雪庇が崩壊し、危うく体を持って行かれそうになる。P5はアンザイレンして、深い雪の斜面をトラバースして抜けた。北鎌コルに着くころには、真っ暗になってしまった。

31日:天気風雪・行動時間8時間15分・北鎌のコル~P12付近:今日もラッセルから始まる。夜半過ぎからシトシト降っていた雪は、P8を超える辺りから強い風を伴いだした。P8とP9の間に絶好のテント場がある。「独標を越えるべきか?」。ルート図にあるテント適地北鎌平までは行けそうにない。まだ10時半だ。天気予報では明日から天気が荒れるという。「行ってみよう!」。早めにテント場を探せばなんとかなる。そして独標に差し掛かる。正面を登るつもりで、ルートを観察すると、1ピッチ目が悪相に見える。「トラバースしよう!」僕が先頭をゆく。半分手前位までトラバースしたところで、突然足元の雪がスパッと雪崩れて行った。もう少し上から雪崩れたら、俺は終わっていた。「神様仏様もう崩れんといて」と念仏を唱えながら、元にもどる。正面から登るルートは、天上沢からのルンゼを登るものだが、ふかふか雪の体感垂直の雪壁は登りにくい。よくリードしてくれたものだとs田に感謝する。その後二つほど小さな岩場を越える後は、登りやすい雪壁となった。独標を越え、テント場を探しながら進んだ。最初見つけたところは、残置ハーケンが2か所打ってあり、「みんな考えることは、一緒や」などと言いながら、準備を始めようとした。ところが雪の下に風でボロボロになったテントを発見。ここは諦め、結局P12付近に風の避けられる場所を見つけ幕営した。

Pc310022P8まで急斜面でのラッセルは辛かった。

Pc310023_2ロープ出さずにどんどん進む。

1日:天気風雪・行動時間7時間30分・P12~槍ヶ岳~冬期小屋:今日から明日にかけて、北海道から北陸にかけて強風が吹くと天気予報で聞く。「午前中は行動できるだろう。天気が悪化したら、北鎌平で雪壁作って待機しよう」と思い出発。北鎌平までの稜線は痩尾根だ。強風に煽られないよう慎重に進む。s田はバランスがいいのか先をどんどん進む。「あれっ!」。先を行くs田の足跡が雪庇の上を三度も踏んでいる。合流した時話すと、本人もしまったと思ったらしい。たのんます。北鎌平は強風に耐えられる場所ではなかった。頂上超えを躊躇していた僕たちは、強風に煽られ、その場に転倒。選択の余地はない。「いこう!」。その後前を行くことが多かったs田に疲れが見れたので、頂上への最後の登りは僕が先頭をいく。最初は、アイゼンがきく雪面だったが、上に行くほど雪の状態が悪くなり、雪崩の危険を感じたので、頂上まであと少しのところで雪壁を諦め、凹角ライン1ピッチ(s田リード)とフェース1ピッチ(水本リード)で頂上に出る。まつ毛につららが垂れ下がり、前がよく見えない。頂上で写真を撮り、直ぐに下降開始。冬期小屋に逃げ込む。「助かった」。小屋では、小槍をクライミングしてきた3人組と一緒だった。彼らからこの天気で北鎌から抜けてきたのは素晴らしいと言われたのは、うれしかった。まるで田舎侍が、都侍から褒められたような気分だ。荒れ狂う外とは別世界、真っ暗な小屋で一晩過ごす。計画から1日遅れたので、縦走は諦め大喰岳西尾根から下山することにした。

2日:天気暴風雪・行動時間6時間・冬期小屋~槍平:朝になっても強風は止まない。天気予報では、午前中がピークだという。12時を過ぎると視界が出てきた。風も幾分収まってきたので、12時半出発。大喰岳までの稜線は風が凄まじかった。顔が少し凍傷になるなと思いながらも先を進む。なだらかな西尾根を下り、飛騨沢に出る。雪は腰まで埋まり、重い荷、疲れた体では下りとはいえラッセルできない。ザックを下ろし、空荷でラッセルした。一人100mくらい進むとバテテしまう。交代で槍平まで延々とラッセルを続けた。荷を担ぐとき、仰向けになる。雪煙を上げる穂高連峰が見える。「あんなに真っ白なんだ」。本当に綺麗だと思った。ラッセルを続けてる間に真っ暗になった。また天を仰ぐ。満天の星空。感動を胸に押し込め、ひたすらラッセルする。槍平はまるで、八ヶ岳の赤岳鉱泉や行者小屋のような雰囲気だった。最後の一晩を標高が下がって暖かく感じた槍平で過ごした。

3日:天気晴れ・行動時間3時間30分・槍平~新穂高ロープウエイ:去年剱の下山日も天気が良かった。今年は晴れ晴れした気分で下山する。新穂高からバスで松本まで出て、松本から電車で信濃大町に帰った。

P1030043_2都侍になれる素質あるのに満足かな?いつまで、どこまでやれるかわからない田舎侍だが、またよろしく。

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